私たちは設計を専業とする建築事務所です。設計・監理(詳しくは企画から竣工までの流れについてご覧ください。)を担当します。 また工事は工事専門の工務店(施工者)が行ないます。設計者はあくまでも建主の利益を阻害しないように、また要望を生かすべく中立的な立場で設計・工事監理を 行いその対価として報酬を受け取っています。
設計監理報酬料は建物の規模や工事額や難易度によって大きく異なります。私たちの事務所は旧建設省告示の計算基準に基づき、 地域性や現在の市中経済状況などを踏まえて算出しています。
建物(家)作りは敷地、周辺環境や建主の条件によってそれぞれ異なります。我々はその条件を整理し多角的に判断、あるべき姿を提示します。 既に出来上がったものに自分を合わせるということにあまりにも慣らされてしまっている、またカタログで物を買うのと同じ尺度で考えていることに 気づくことと思います。建物作りは夢作りです。本当に気持ちの良いものには発見が有り、納得が有り、深い満足があり、目にするフォルム、 手にする感触にも愛着が湧いてきます。その夢の実現をサポートするのが我々の仕事です。
はじめに
まずはコミュニケーション(相談)です。お気軽に相談ください。家づくりはとても私的な作業を長い間に渡って続けて行くわけ ですから雑談の中でお互いに信頼関係が築けるかどうか、また共同作業ですから価値観も含めて相性が合うかどうか?と言ったことが大切なことです。 一種のお見合いのようなものです。何度か意見を交換してご縁があれば次のステップです。
※相談の費用はいただいておりません。
いよいよ具体的なお話に移ります。ことをこの先スムーズに運ぶために、まず予算計画です。だいたいこのくらいの範囲で考えているという金額を 提示していただき、そこから各種諸費用を検討し建物の予算をはじき出します。また次に家に対する自分たちのイメージを伝えることです。たとえば 写真にありますように雑誌やカタログの切り抜きやコメントなど自分たちにとって心地良いものを具体的なイメージでわかりやすく伝えるためにスクラップを 作る方法や要望書として箇条書きにリストアップするなどして設計者とのより親密なコミュニケーションに利用します。要望はできるだけ早い段階で なんでも伝えてください。そのことがすべて計画の手掛りになるからです。
ある程度の条件が出揃い、計画依頼をいただいたあと今度は敷地の調査です。
敷地にはそれぞれ個性が有ります。それを読み取り、設計の手掛りのひとつにします。周りにはどんな家がどの方向で建っているか、
どこに窓があるか、道路と敷地の関係は?などなど敷地には情報がたくさんあります。
最後に敷地調査報告書としてまとめて報告します。
設計に先立ち、建主の求めに応じ基本設計へ至るための条件を整理します。大きな動線のながれについて常に3次元を頭において 住まい全体の骨組みを考えていきます。数回ほど基本案をやり取りするうちに一つの方向にかたまり、いよいよ基本設計のはじまりです。
条件に従って建物の平面、空間構成、各部の寸法や面積規模、設計概要などを検討し総合的な内外空間の
デザインを作ります。
やはりこの段階でも建主と何度もやり取りしながら様々な情報が一本の線となり記録されていきます。
成果品としては基本設計図面(仕上・概要・平面図・立面図・断面図・設備概要書)などがあげられます。
基本設計に基づき、デザインと技術の両面にわたり細部の検討をさらに行い、第三者が設計内容を正確に読み取り、設計意図に合意したものを 的確に作ることが出来るよう、また工事費を適正に算出することができるよう設計詳細を表現し図面化します。
この段階での打ち合わせはほとんどありませんが定期的に作業の進捗状況をお知らせいたします。
設計が終了した段階で数社の工務店から工事見積を取ります。各社に共通の図面内容で詳細な見積を出しもらい、精査します。その上で工務店と 妥当な金額で契約ができるまで交渉します。またどうしても予算に合わないときには知恵を絞って出来る限り建物の質を下げずに減額案を作成し検討を繰り返します。
見積が納まればいよいよ契約です。契約には施工業者の責任者、設計者、建主がそれぞれ出席し、契約書に署名捺印をします。また工事支払方法や 仕様書・設計図も大切な契約書の一部となります。
工事請合契約後、工事に着手した時点から工事監理業務となります。工事期間中は設計図書を補うさまざまな方法により設計意図を 明確に伝達し施工図などを検討・審査します。監理者として建主と施工者の中立的立場から相互間の意見調整や工事進捗・監理状況などを 報告します。また設計図書・契約書などに示された条件にしたがって施工されるように監理します。出来上がってしまうとわからなく なってしまう箇所なども確認し、質の良い施工をしてもらうよう工務店と協力していきます。また期間中は毎月々工事監理報告書として 打ち合わせ内容や現場の工事進捗状況などを記載した書類を写真とともにまとめて報告をします。
材料には写真ではわからない質感や色があります。工程の進捗に合わせてサンプルを取り寄せて現場にて検討を行い建主と打ち合わせ いたします。また材料の物理的特性やメンテナンスの方法などもお話しながら完成する建物をイメージします。
工事が終了すると検査機関の工事完了検査を受け、関係法令に適合しているかのチェックを受けます。このほか設計者の最終検査などを 経ていよいよ建物の引渡しです。このとき各種保証書や機器の取り扱い説明書、工事関係書類をまとめた綴りをお渡しします。また工事に 携わった関係者一同に集まっていただき、建物の使い方やメンテナンス方法についての説明も合わせて行います。
建物が完成してから1年、2年を目安に点検確認を行います。快適に維持して行くためにも大切な検査です。またメンテナンスが必要な 時期もアドバイスいたします。将来のためにも工事記録や各種データー、図面なども保管してあります。我々の活動が続く限り手掛けた建物は見守って行きます。